SAKITA
BREAST CLINIC
乳腺の病気
乳がん
Breast Cancer
日本人女性の乳がん罹患数は2022年予測で94,300人となっており、がんの中で最も多くなっています。
9人に1人が乳がんになる時代です。また、乳がんでの死亡数は2022年は15,912人です。
乳がんの発生には、女性ホルモンのエストロゲンが深くかかわっていることが知られています。
初経年齢が低い、閉経年齢が高い、出産経験がない、初産年齢が高い、授乳経験がないなどが、乳がんを発生するリスクを高めると考えられています。
そのほか、飲酒、閉経後の肥満、運動不足といった生活習慣や、糖尿病の既往なども乳がんを発生するリスクを高めると考えられています。
また、血縁者に乳がんの人が多くいる場合、乳がんのリスクが高いことが分かっています。
乳がんを早期発見、早期治療するためにも、乳がん検診を欠かさず受けましょう。
乳がんの主な症状は、乳房のしこりです。ほかには、乳房にえくぼやただれができる、左右の乳房の形が非対照になる、乳頭から分泌物が出る、などがあります。
乳がんは自分で見つけることのできるがんの1つです。日頃から入浴や着替えのときなどに、自分の乳房を見たり触ったりして、セルフチェックを心がけましょう。
ブレストアウェアネスは、”乳房を意識する生活習慣“です。
乳房の状態に日頃から関心を持ちましょう。
乳房の変化を感じたら速やかに医師に相談するという、正しい受診行動を身につけることが大切です。
ブレストアウェアネスには、以下の4つのポイントがあります。
乳がんの検査では、最初に目で見て確認する視診と、触って確認する触診、マンモグラフィ、超音波(エコー)検査を行います。
乳がんの可能性がある場合には、病変の細胞や組織を顕微鏡で調べて診断を確定します。
がんの広がりや転移を調べるためには、MRI検査、CT検査、骨シンチグラフィ、PET検査などの画像検査を行います。
乳がんの治療には手術、放射線治療、抗がん剤治療とホルモン治療があります。
新規の薬剤が開発され臨床現場に応用されつつあります。また分子標的薬や免疫療法が新たな標準治療として導入され良好な成績をおさめています。
乳がんの進行程度とがんの性質(タイプ分け)、体の状態に基づいて上記の治療が組み合わされます。
乳がんは年々増加しており、日本では、1年間に9万人の方が新たに乳がんを発症しています。
このうち7~10%は遺伝が大きく関係しています。
その多くは“遺伝性乳がん卵巣がん症候群(HBOC)”と呼ばれる遺伝性がんです。
HBOCでは、“BRCA1”または“BRCA2”という遺伝子に病的な変異がみられます。
乳がんと診断された方のうち、以下の条件に1つでも当てはまればBRCA1/2遺伝子検査が保険適応になります。
なお乳がんと診断されていなくても、次の方は保険適応となります。
HBOCと診断された場合
標準的な乳がん治療に加えて、BRCA遺伝子変異の患者さんに効くこう悪性腫瘍剤が使用できます。
また予防的乳房切除術や予防的卵巣卵管摘出術が保険診療で受けられます。